飲食店の時間帯別損益計算書でランチとディナーの採算を分析するイメージ
2026年3月16日 8:30 am

ランチ終わりのひと息。こんな疑問がふと頭をよぎることはないでしょうか。

「今日もランチは満席だった。でも、この忙しさに見合う利益が出ているのだろうか」

「ランチもディナーも頑張っている。なのに、月末の通帳を見ると想像より少ない」

「どの時間帯が稼げていて、どの時間帯がお荷物なのか — 正直、よくわからない」

夫婦2人で切り盛りしている飲食店のオーナーから、こうした声をよくお聞きします。

多くの飲食店では、1日の売上を「ひとかたまり」で管理しています。
「今日は15万円だった」「今月は300万円いった」 — この管理方法そのものは基本として正しいのですが、利益を生んでいる時間帯と、利益を食いつぶしている時間帯が区別できないという大きな盲点があります。

結論から言えば、ランチが黒字か赤字かは店舗ごとに異なります。
ランチが利益の柱になっている店もあれば、実は赤字でディナーの利益を削っている店もある。しかし、時間帯別に損益を計算していなければ、自店がどちらなのかを知ることすらできません。

この記事では、POSレジとシフト表があれば今日から作れる「時間帯別損益計算書」の手順を4ステップで解説し、分析結果を経営改善に活かす方法をお伝えします。

この記事のポイント

  • 1日の売上を時間帯に分解すると、稼いでいる時間帯と赤字の時間帯が見えてくる

  • 「忙しい=稼げている」とは限らない — 客単価・原価率・人件費のバランスで損益は決まる

  • 時間帯別損益計算書の作り方を4ステップで解説(POSレジ+シフト表で作成可能)

  • 分析結果を活かした改善の方向性は1つではない — 「強化」「改善」「再編」を数字で比較検討する

  • 分配率コントロール・ABC分析との連携で、改善の精度がさらに上がる

飲食店のランチは本当に赤字なのか? — 1日の売上を時間帯で分解すべき理由

売上15万円・営業利益1万円 — その内訳で「打つべき手」は全く変わる

たとえば、1日の売上が15万円で営業利益が1万円残ったとします。「黒字の日」に見えます。しかし、その内訳は千差万別です。

パターンA:ランチが赤字、ディナーでカバー

スクロールできます
時間帯売上利益
ランチ(11〜14時)5万円▲1万円(赤字)
アイドル(14〜17時)1万円▲1万円(赤字)
ディナー(17〜22時)9万円+3万円(黒字)
合計15万円+1万円

パターンB:ランチもディナーも黒字、アイドルタイムだけが赤字

スクロールできます
時間帯売上利益
ランチ(11〜14時)5万円+0.5万円(黒字)
アイドル(14〜17時)1万円▲1.5万円(赤字)
ディナー(17〜22時)9万円+2万円(黒字)
合計15万円+1万円

合計の数字は同じ「売上15万円・利益1万円」ですが、打つべき手がまるで違います。 パターンAではランチの収益構造改善が急務ですし、パターンBではアイドルタイムの見直しだけで大幅な利益改善が見込めます。

時間帯別に数字を見なければ、「どこに手を打つべきか」が見えません。

忙しい=儲かっているとは限らない — ランチの損益構造

ランチタイムは多くの飲食店にとって1日で最も忙しい時間帯です。
次々にお客様が来店し、厨房はフル稼働。このスピード感と疲労感が「今日も稼いだ」という実感を生みます。

しかし「忙しさ」と「利益」は、必ずしも一致しません。

ランチは一般的に客単価が低く、回転勝負です。
ディナーの客単価が3,000〜5,000円の店が、ランチでは800〜1,200円のセットを提供するケースは珍しくありません。客単価がディナーの3分の1〜4分の1にまで下がるのに、仕込みの手間・水道光熱費・人件費は「ゼロ」にはならない。

一方で、ランチが大きな利益を生んでいるケースもあります。
食材原価率を低く抑えた定食メニューを高い回転率で提供し、パート人件費を最小限に抑えている店舗では、ランチが利益の柱になっていることもあります。

大切なのは「ランチは儲からない」と決めつけることではなく、「自店のランチは実際にどうなっているか」を数字で確かめることです。

夫婦経営にとって「時間と体力の配分」は経営判断そのもの

年商3,000万〜1億円規模で夫婦2人が中心となって切り盛りしている飲食店にとって、利益率と同じくらい — あるいはそれ以上に切実なのが「時間と体力の使い方」です。

ランチからディナーまでの通し営業で1日11時間。仕込み・片付けを含めると実働13〜15時間。月25日間これを続ける負荷は相当なものです。

2025年度の最低賃金は全国加重平均で1,121円(前年度比+66円)。過去最大の引き上げ幅を記録し、全都道府県で初めて時給1,000円を超えました。パート・アルバイトの時給が上がり続ける環境の中、限られた人員でどの時間帯に集中するかという判断の重みは年々増しています。

📖 参考:🔗 厚生労働省「令和7年度 地域別最低賃金の全国一覧」

だからこそ、「どの時間帯にどれだけの利益(または赤字)が出ているか」を数字で把握し、限られた体力と時間を最も効果の高い時間帯に振り向ける判断が必要なのです。

時間帯別に損益を計算するとは — 飲食店の「時間帯別損益計算書」の基本

1日の損益を「時間帯ごとの成績表」に分解する

時間帯別損益計算書とは、1日の営業を複数の時間帯に区切り、それぞれの時間帯ごとに売上・粗利益・経費・利益を計算する手法です。

通常の月次損益計算書が「1ヶ月全体の成績表」だとすれば、時間帯別損益計算書は「時間帯ごとの成績表」。これにより、どの時間帯が利益の柱で、どの時間帯が足を引っ張っているかが一目でわかります。

最初のステップとしては、以下の3〜4つの時間帯に区分するのが実用的です。

スクロールできます
時間帯特徴
ランチタイム11:00〜14:00客単価低・回転勝負・仕込み量大
アイドルタイム14:00〜17:00来客少・固定費が発生し続ける
ディナータイム17:00〜22:00客単価高・利益率が高い傾向
その他仕込み専用時間など売上ゼロだが人件費は発生

「売上」ではなく「粗利益高」で見ることが本質

時間帯別損益計算書で最も重要な数字は、売上ではなく粗利益高(売上 − 食材原価)です。

たとえばランチの売上が5万円でも食材原価率が40%なら、粗利益は3万円。ディナーの売上が10万円で原価率30%なら、粗利益は7万円。
売上は2倍の差ですが、粗利益は2.3倍の差 — 「お店が使えるお金」の差は、売上の差以上に開くのです。

この考え方は、当社ブログでも解説している「分配率コントロール」の根本原則 — 「粗利益高こそが、お店が自由に使えるお金の上限」と同じです。

時間帯別損益計算書の作り方 — POSレジとシフト表で始める4ステップ

ステップ1:時間帯を区切り、売上を集計する

1日の営業時間を「ランチ」「アイドル」「ディナー」のように2〜4つに区切ります。

POSレジを使っている場合
ほとんどのPOSに時間帯別売上集計機能があります。「11〜14時」「14〜17時」「17〜22時」と設定するだけです。

手書き伝票の場合
伝票に「L」「D」などのマークを書くだけでも、1週間分集計すれば傾向が見えます。

まずは1週間分(平日5日+土日2日)のデータを集めることを目標にしましょう。 完璧なデータでなくても、「大きな傾向」が見えれば十分です。

ステップ2:粗利益高を計算する

各時間帯の売上から食材原価を差し引き、時間帯粗利益高を算出します。

時間帯粗利益高 = 時間帯売上 − 時間帯食材原価

基本的にはメニュー毎の販売数と理論原価をもとに粗利益高を算出しますが、メニュー毎の算出が難しい時には、メニュー全体の平均原価率を代用して計算しても一定の精度が出せます。なお、ランチとディナーでメニュー構成が大きく異なる場合は、それぞれの平均原価率を使い分けるのが効果的です。

日本政策金融公庫「小企業の経営指標調査(飲食店・宿泊業)」によると、一般飲食店の売上高総利益率(粗利率)は概ね60〜70%が平均水準です。つまり食材原価率は30〜40%が一般的な範囲であり、この水準と自店の数字を比較することで、原価構造の妥当性も同時に確認できます。

📖 参考:🔗 日本政策金融公庫「小企業の経営指標調査(飲食店・宿泊業)」

💡 ヒント粗利益高をさらに深く分析するには、「メニュー別粗利益ABC分析」が有効です。どのメニューが粗利益を生んでいるかがわかれば、時間帯ごとのメニュー戦略にも活かせます。

ステップ3:人件費を時間帯に配分する

人件費は、時間帯別損益のなかで最も結果を左右する項目です。

パート・アルバイト:
シフト表から「各時間帯に何人が何時間入っていたか」を集計します。
例:パートAさん 11:00〜14:00(3時間)× 時給1,140円 = 3,420円 → ランチに計上

オーナー夫婦の労働対価:
ここが最も重要なポイントです。

⚠️ オーナー夫婦の給与を「経費に入れていない」という店は少なくありません。しかし、時間帯別分析では必ず労働の対価として計上してください。入れなければ、「人件費がかかっていないように見えるだけで、実際にはタダ働きしている時間帯」が隠れてしまいます。

目安として、「もしこの仕事を他人に任せたらいくら払うか」で時間単価を設定します。

厚生労働省が賃金構造基本統計調査をもとに算出した「職種別平均賃金(時給換算)」(令和8年度適用)によると、飲食物調理従事者の時給換算額は以下の通りです。

スクロールできます
経験年数時給換算(円)
0年(基準値)1,161
3年1,449
5年1,551
10年1,657
20年2,060

📖 出典:🔗 厚生労働省「賃金構造基本統計調査による職種別平均賃金(時給換算)」令和8年度適用・別添1(PDF)

ただし、このデータは企業規模10人以上の事業所に雇用される従業員の賃金水準です。夫婦経営のオーナーは、調理や接客だけでなく、仕入交渉・メニュー開発・売上管理・経営判断といった管理業務を同時に担っている点が、雇用される調理人とは異なります。

そのため、上記の統計データを参考にしつつ、管理業務の付加価値を加味して時給を設定するのが実務的です。

スクロールできます
役割統計上の参考値オーナーの場合の設定目安
調理
(料理長クラス)
1,657〜2,060円
(経験10〜20年)
2,000〜2,500円
(管理業務を加味)
接客・ホール
(店長クラス)
1,494〜1,595円
(経験5〜10年)
1,500〜2,000円
(経理・発注等を加味)
仕込み・清掃最低賃金〜1,500円

ステップ4:その他の経費を按分する

家賃・水道光熱費・通信費・リース料などの固定費は、「営業時間比率」で按分するのが最もシンプルです。

計算例:月間家賃30万円、営業時間11時間/日の場合

スクロールできます
時間帯時間数比率家賃按分額(月)
ランチ(3h)3時間27.3%81,800円
アイドル(3h)3時間27.3%81,800円
ディナー(5h)5時間45.5%136,400円

なお、水道光熱費は、厨房稼働率の差を反映して加重をつけるとより正確です(ランチ・ディナーは係数1.2、アイドルは係数0.6など)。

大切なのは「厳密さ」より「見える化」です。
完璧な按分を目指すと手が止まります。まずは営業時間比率による概算で始めて、大きな傾向 — どの時間帯に問題があるかを把握することが最優先です。精度はその後のステップで順次高めていけます。

【シミュレーション】数字で見る、夫婦経営飲食店の時間帯別損益

飲食店の1日を3つの時間帯(ランチ・アイドルタイム・ディナー)に分けて採算を分析するイメージ

※以下は理解を深めるためのシミュレーションです。特定店舗の実績ではありません。

前提条件

スクロールできます
項目設定値根拠
業態夫婦経営の定食屋(席数20席)
月商300万円(月25日営業)
平均日商12万円
原価率全体35%(ランチ38%、ディナー33%)日本政策金融公庫の経営指標調査における一般飲食店の原価率30〜40%を参考
営業形態通し営業(11:00〜22:00)
スタッフオーナー夫婦+ランチのみパート1名

人件費の計算根拠

  • オーナー(調理担当):時給換算2,500円
    前掲の統計データでは飲食物調理従事者(経験20年)の時給換算が2,060円。オーナーは仕入交渉・メニュー開発・原価管理・経営判断を同時に担うため、管理業務の付加価値を上乗せして2,500円と設定。

  • 配偶者(接客・経理担当):時給換算2,000円
    同統計の飲食物給仕従事者(経験10年)は1,595円。接客に加えて経理・発注・予約管理も行っている実態を踏まえ、2,000円と設定。

  • ランチパート:時給1,140円(愛知県の2025年度最低賃金1,140円で設定)

📖 参考:🔗 厚生労働省「職種別平均賃金(時給換算)」令和8年度適用・別添1(PDF)
📖 参考:🔗 厚生労働省「令和7年度 地域別最低賃金の全国一覧」

時間帯別の人件費配分

スクロールできます
時間帯オーナー配偶者パート合計
ランチ(3h)7,500円6,000円3,420円16,920円
アイドル(3h)7,500円0円(休憩)0円7,500円
ディナー(5h)12,500円10,000円0円22,500円
1日合計27,500円16,000円3,420円46,920円

時間帯別損益シミュレーション(1日あたり)

スクロールできます
項目ランチ
(11〜14時)
アイドル
(14〜17時)
ディナー
(17〜22時)
1日合計
売上35,000円5,000円80,000円120,000円
食材原価13,300円
(38%)
1,750円
(35%)
26,400円
(33%)
41,450円
粗利益高21,700円3,250円53,600円78,550円
人件費16,920円7,500円22,500円46,920円
水道光熱費(按分)3,000円1,200円5,800円10,000円
家賃等固定費(按分)3,550円3,550円5,900円13,000円
経費小計23,470円12,250円34,200円69,920円
時間帯利益▲1,770円▲9,000円+19,400円+8,630円

シミュレーションが示す「数字の事実」

  • ランチは1日あたり約1,770円の赤字
    月25日換算で約4.4万円の赤字。ただし、ランチの原価率を38%→33%に改善できれば、1日あたり約1,750円の粗利改善 — これだけでランチは収支均衡〜黒字に転換します。

  • アイドルタイムが最大の利益圧迫要因
    1日あたり約9,000円、月25日で約22.5万円の赤字。来客がほとんどないのに人件費と固定費が発生し続ける構造が原因です。

  • ディナーが利益の大黒柱
    1日19,400円の黒字で、ランチとアイドルの赤字を吸収したうえで全体の利益を生んでいます。

  • 「どこに手を打てばどれだけ改善するか」が見える
    アイドルタイムを中休みにした場合、人件費7,500円+光熱費1,200円=8,700円/日の削減が見込めます。ただしアイドルの売上5,000円(粗利3,250円)も失うため、純改善額は約5,450円/日(月約13.6万円)。

重要なのは、「ランチをやめるべき」「アイドルを休むべき」と一律に結論を出すことではありません。 このシミュレーションが示しているのは、時間帯ごとに数字を見れば「どこに問題があり、どこに改善余地があるか」が明確になるという事実です。

Information

「このシミュレーションを、自店の数字でやってみたい」と思ったら

POSデータまたはシフト表と売上データをお持ちいただければ、初回面談で概算の時間帯別損益を一緒に試算できます。

数字が見えたら何ができるか — 4つの改善アプローチ

時間帯別損益計算書を作成して「どの時間帯が黒字で、どの時間帯が赤字か」が見えたら、次はその数字をもとに改善策を検討します。

ここで大切なのは、「赤字の時間帯=すぐにやめるべき」ではないということです。赤字の原因が何か、改善の余地がどこにあるかを数字で見極めたうえで、自店にとって最も効果の高い打ち手を選びます。

アプローチ1:稼げている時間帯を「さらに伸ばす」

ディナーが利益の柱であることが確認できた場合、その時間帯の利益をさらに伸ばす戦略に注力します。最もリスクが低く、効果の高いアプローチです。

  • 客単価の向上
    コースの充実、ドリンクペアリング提案、デザート追加の促進

  • 粗利益Aランクメニューの訴求強化
    メニューブックでの配置・SNSでの発信

  • 予約管理による空席時間の最小化

アプローチ2:赤字の時間帯を「黒字に転換する」

ランチのように小幅な赤字にとどまっている場合、改善によって黒字化できる可能性があります。

  • メニュー構成の見直し
    ABC分析で粗利益Aランクのメニューをランチの主力にする

  • 食材原価率の改善
    原価率の高いメニューの販売構成比を下げる、仕入先の見直し、ロス削減

  • パートシフトの最適化
    ピーク時間帯(例:12:00〜13:30)に集中させ、前後の人件費を削減

シミュレーションでも示した通り、ランチの原価率を数%改善するだけで黒字に転換するケースもあります。

アプローチ3:不採算の時間帯を「コスト最小化する」

アイドルタイムのように売上が極端に少なく赤字が大きい時間帯は、コストを最小限に抑える方向で見直します。

  • 中休みの導入
    14〜17時を閉店し、仕込み・清掃・休息に充てる

  • テイクアウト専用時間への切り替え
    客席営業はやめつつ、テイクアウトで固定客との接点を維持

  • 完全に仕込み専用にする
    ディナーの品質向上に時間を充てる

アプローチ4:営業時間を「再編する」

赤字の時間帯をなくし、黒字の時間帯に労力を集中させる営業時間の再設計です。

  • ランチ+ディナーの二部制営業に切り替え、アイドルタイムを完全に休む

  • ディナーの閉店時間を1時間早めて体力を温存し、翌日のランチの品質を上げる

  • ランチ営業を週3日に限定し、残りの日は仕込みに充てる

どの選択が正解かは店舗ごとに異なります。正解を決めるのは経営者自身であり、その判断を支えるのが時間帯別損益の数字です。

次のステップ:1時間単位の分析で精度を高める

ここまで解説した「ランチ・アイドル・ディナー」の3区分は、時間帯別損益計算書の入口です。この3区分で全体の傾向を掴んだら、次のステップとして1時間単位の損益分析に進むことをおすすめします。

1時間ごとに見ると、3区分では見えなかった改善ポイントが浮かび上がります。

  • 「ランチの中でも12時〜13時は黒字だが、11時〜12時は来客が少なく赤字
    → 開店時間を30分遅らせる判断材料になる

  • 「ディナーの21時以降は客が激減して赤字」
    → ラストオーダーを21時に繰り上げる判断材料になる

  • 「土曜の14〜15時だけは意外と来客がある」
    → 土曜だけ通し営業を維持する判断材料になる

1時間単位の分析には、POSレジの時間帯別集計機能をより細かく設定することと、パートのシフト管理の細分化が必要です。最初から完璧にやる必要はありませんが、「3区分から始めて、いずれ1時間単位へ」という段階的な精度向上が、時間帯別損益計算書を最も効果的に活用する方法です。

分配率コントロール・ABC分析との連携で改善の精度を高める

飲食店経営の3つの分析手法(分配率コントロール・ABC分析・時間帯別損益)が連携するイメージ

時間帯別損益計算書は、当社がご提案する3つの経営管理手法の一つです。

スクロールできます
手法何がわかるか主な活用場面
分配率コントロール粗利益高を4つの経費カテゴリにどう配分すべきか月次の経費管理全般
メニュー別粗利益高ABC分析どのメニューが利益を生んでいるかメニュー改定・販促の優先順位づけ
時間帯別損益計算書どの時間帯が利益を生んでいるか営業時間・人員配置の見直し

1つの手法だけでは「問題の発見」で終わりがちですが、3つを組み合わせると「原因の特定」から「具体的な改善策の立案」まで到達できます。

組み合わせの具体例:ランチの小幅赤字を黒字に転換する

  • 時間帯別損益計算書でランチの赤字額を確認
    → 月間約4.4万円の赤字と判明

  • メニュー別ABC分析でランチメニューの粗利益高を分析
    → ランチセットAは粗利益高が高いが、ランチセットCは赤字メニューと判明

  • 分配率コントロールでランチの労働分配率を確認
    → ランチ帯の労働分配率が78%と判明(粗利益の8割近くが人件費に消えている)

  • 赤字のCランクメニューを整理してAランクメニューに注力し、パートシフトをピーク時間に限定
    ランチの赤字が解消

よくある質問(FAQ)

POSレジがなくても時間帯別損益計算書は作れますか?

はい、作れます。

手書き伝票でも、「ランチの伝票」と「ディナーの伝票」を分けて集計すれば十分です。まずは1週間、伝票に「L」「D」のマークを書くところから始めてみてください。

オーナー夫婦の人件費を入れると赤字になります。それでも入れるべきですか?

必ず入れてください。

入れずに黒字に見えるのは、タダ働きが隠れているだけです。正確な数字が、正しい経営判断の前提になります。

固定費の按分はどのくらい正確にやるべきですか?

最初は営業時間比率の概算で十分です。

大事なのは「どの時間帯に問題があるか」という傾向を掴むことです。精度は後から高めていけます。

分析した結果、すべての時間帯が赤字でした。どうすればいいですか?

その場合は、時間帯の問題ではなく「全体の収益構造」に課題がある可能性が高いです。

まず「分配率コントロール」で粗利益高と4つの経費カテゴリのバランスを確認し、どの経費が粗利益に対して過大かを見極めましょう。

→ 関連記事:🔗「FL比率60%以下なのに利益が残らない」の正体|分配率コントロール記事

まとめ:数字で「見える化」することが、前向きな判断の第一歩

「ランチは本当に稼げているか?」 — この問いへの答えは、店舗ごとに違います。

ランチが利益の柱になっている店もあれば、赤字を出している店もある。そして、どちらなのかは数字で確かめない限りわからないのです。

また、時間帯別損益計算書が教えてくれるのは、「何をやめるべきか」だけではありません。
「どこに強みがあり、どこに改善余地があり、どこに経営資源を集中すべきか」 — つまり、前向きな経営判断のための事実把握を可能にするのです。

今日から始められるステップ

  • 1週間分の時間帯別売上データを集める(POSの設定 or 伝票への区分マーク)

  • 各時間帯の粗利益高を計算する(売上 − 食材原価)

  • 人件費を時間帯に配分する(オーナー夫婦の人件費も必ず含める)

  • 固定費を営業時間比率で按分する(まずは概算でOK)

ここまでできれば、時間帯ごとの利益・赤字が見えてきます。まずは3区分で大きな傾向を掴み、次に1時間単位へ。数字の解像度が上がるほど、判断の精度が上がります。

セルフィーの経営サポート

「時間帯別に自分の店の数字を見てみたい。でも、一人ではどこから手をつけていいかわからない」

そんなご相談をお待ちしています。

当社では、時間帯別損益計算書の作成サポートはもちろん、分配率コントロールメニュー別粗利益高ABC分析を組み合わせた、夫婦経営・小規模飲食店に特化した経営改善をご支援しています。

税理士の先生が「正しい申告」を担うプロフェッショナルなら、当社は「日々の経営判断」を数字で裏づけるプロフェッショナルです。


【無料相談のお申し込みはこちら】

POSデータまたはシフト表と売上データをお持ちいただければ、初回面談で概算の時間帯別損益を一緒に試算できます。
所要時間:約60分・オンライン対応可。お電話でのお問い合わせも受け付けております。

▼初回無料相談(60分)のお申し込みはこちら▼

お問い合わせフォーム

お電話でのお問い合わせ
052-825-3341
(「ブログを見た」とお伝えいただくとスムーズです)
※受付時間 平日9:00〜18:00など、貴社の受付時間を入力してください
個人情報の取扱いについて
お問い合わせフォームにご入力いただいた個人情報は、以下の目的でのみ利用いたします:
  • お問い合わせへの対応
  • 当社サービスに関する情報提供(ご希望の方のみ)
詳しくはプライバシーポリシーをご確認ください。お客様の同意なく第三者に提供することは一切ございません。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA